AEの違いを知る
AEは大きく3モード
AEというのはAutomatic Exposure,すなわち「自動露出」のことです.「測光モードの違いを知る」で解説したように,各測光モードに応じて適正露出が決まります.AEを搭載しているカメラであれば,そうして算出された適性露出に対し,カメラのシャッター速度や絞りの開放量を自動で調整してくれます.
AEには主に次に説明する3種類のモードがあります.
プログラムAE
適正露出に対し,シャッター速度と絞り値の両方を自動的に決定するAEモードです.通常は「P」と表されます.
シャッター速度や絞り値は自動で決まるので,撮影者はフレーミングとフォーカスだけに集中すればよいという便利なモードです.一言にプログラムAEと言っても様々あり,夜景やスポーツなどシーン別に使い分けられるようなプログラムAEもあります.
絞り優先AE
撮影者が絞り値を決めるとその絞り値に合わせて自動的にシャッター速度が決まるAEモードです.「A」や「Av」と表されます.
AEの中でも最も頻繁に利用されるモードです.絞り優先AEの場合は自分で絞り値を決められるので,被写界深度を意識した撮影の際に便利です.昔のフィルムカメラではAE搭載カメラと言えば「絞り優先AE」のみであることが多かったです.
シャッター速度優先AE
撮影者がシャッター速度を決めるとそのシャッター速度に合わせて自動的に絞り値が決まるAEモードです.「S」や「Tv」と表されます.
スポーツなど動きの激しい被写体を高速シャッターでピタリと止めた撮影をしたい場合,または低速シャッターで動きを表現したい場合などに利用されます.
マニュアルモード
AEではありませんが,上に示す3つのAEモードとは別に,シャッター速度と絞り値の両方を手動で決定するマニュアルモードもあります.「M」と表されます.
マニュアルでは常に露出計の値を見ながらシャッター速度と絞り値を決める必要があるので,設定に時間がかかります.露出を厳密に決めたいとき,単体露出計を使用するときなどに使用します.
昔のカメラには「露出計は備えているがAEは搭載していない」という機種も多くありました.マニュアルの場合,絞り値をあらかじめ決めておき露出計を見ながらシャッター速度を調整するという絞り優先AE的な使い方と,シャッター速度をあらかじめ決めておき露出計を見ながら絞り値を調整するというシャッター速度優先的な使い方の両方が可能であるため,あえてマニュアルモードを使用する場合もあります.
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