望遠レンズとパースペクティブ
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広角レンズと望遠レンズの写り方の違い
広角レンズを使えば,広い範囲を画面におさめることができます.望遠レンズを使えば遠くのものを大きく写すことができます.両者にはそのような明確な違いがあります.
では,人物を撮るときに,その人が同じ大きさになるよう広角レンズで近くから撮影した場合と望遠レンズで遠くから撮影した場合では写り方にどのような違いが出てくるでしょうか?
ここでは50mmレンズと400mmレンズで人物が同じ大きさになるよう撮影した場合を見てみましょう.
50mmレンズの場合
(画像はWikipediaより)
400mmの場合
(画像はWikipediaより)
2枚とも人物は同じ大きさに写っていますが,背景の大きさが違うことがわかります.50mmでは背景の広い範囲が写っているのに対し,400mmでは狭い範囲しか写っておらず,背景がこちらに迫っているように感じます.
この写り方の違いのことを『パースペクティブ』といいます.パースペクティブとは「遠近法」のことです.広角の場合は背景が遠くに,望遠の場合は近くになることからこの名前がついています.
パースペクティブの活用
「絞りとボケの関係」で絞りを開放にして被写体を浮き上がらせるのと同様,パースペクティブも主題となる被写体を浮き上がらせたいときに利用します.
人物が同じ大きさに写っていても,背景が広いと遠く感じます.一方背景が狭いと人物がグッと前に引き出されたように感じさせる効果があります.また,望遠になればなるほど被写界深度も浅くなるので,同時にボケ効果による人物の強調もできます.
ただし,望遠レンズを使用する場合は手ブレに注意する必要があります.一般的に手持ち撮影でブレずに撮影できる限界は,「1/使用レンズの焦点距離」と言われています.50mmなら1/50,400mmなら1/400以上のシャッター速度が必要という具合です.手ブレ補正機能がある場合はこれより低速のシャッターを切ることも可能です.
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