カメラの種類と構造を知る(レンジファインダーカメラ)
レンジファインダーカメラとは?
レンジファインダーカメラとは,簡単に言うと撮影範囲確認・ピント合わせ用の「小窓」を備えたカメラです.レンジファインダーカメラにはレンズ交換式とレンズ固定式があります.レンズ交換式レンジファインダーカメラの代表は何といってもライカMシリーズです.また,一昔前のコンパクトカメラはほとんどがレンズ固定式のレンジファインダーカメラでした.
ライカ M7 |
レンジファインダー式コンパクトカメラの例 ヤシカ エレクトロ35 |
レンジファインダーカメラの最大の特徴は「コンパクトである」ことです.一眼レフのようにミラーを備えていないため,構造的に小さくできます.またミラーショックもないため,ブレを低減することもできます.
一方,レンジファインダーカメラでは「ファインダーを覗いたときに見える像」と「実際にレンズを通して入ってくる像」とに差が生じます.これを「パララックス」と言います.
この差は被写体との距離が小さくなればなるほど無視できなくなります.一眼レフではレンズを通った光を直接確認できるため超近接撮影も可能ですが,レンジファインダーカメラでは構造上そのような撮影はできません.
また,一眼レフでは絞りを絞って撮影するときに「どれくらいの被写界深度があるか」を確認(プレビュー)することができますが,レンジファインダーカメラではそのような確認もできません.
中判レンジファインダーカメラ
中判カメラの場合,一眼レフだと非常に重くなってしまうので,レンジファインダーカメラは重量面で非常に有利です.6×7判などでは手持ち撮影をメインにする場合などにレンジファインダーカメラもよく選ばれます.
|
|
デジタルカメラとレンジファインダー
レンジファインダーはフィルムカメラ専用の機能かというと,そうでもありません.デジタルカメラにもレンジファインダーカメラがあります.ライカMシリーズもM8からデジタル化されており,M9では35mmフルサイズのセンサーを搭載しています.
レンズ交換が可能なレンジファインダー式デジタルカメラにはライカMシリーズの他に,セイコーエプソンのR−D1などがあります.
|
|
また,フジのX10やX100などもレンジファインダー的なデジカメです(レンジファインダーを用いてピントを合わせるわけではないので正確にはレンジファインダーカメラとは言えませんが).
|
|
レンジファインダー式カメラとは異なりますが,少し前まではコンパクトデジタルカメラでも光学ファインダーを備えている機種が多くありました.それが今ではほとんど見かけなくなりました.これはデジカメの場合は背面の液晶で画面の確認ができるのでいちいち小窓を覗き込むファインダーの必要性は薄く,光学ファインダーを省略する代わりにボディーの小型化,液晶画面の大型化が進んだ,という背景があります.なお,現在でも高級コンパクトデジカメには光学ファインダーが搭載されています(ニコンP7100やキヤノンPowerShot G12など).また,オプションで光学ファインダーを取り付けられる機種(リコーGR DIGITAL IVなど)もあります.
|
|
|
カメラアーカイブス TOP |
一眼レフの基本構造 | |
一眼レフとファインダー | |
レンジファインダーカメラの構造 | |
ビューカメラの構造 |
フィルムカメラを選ぶ(35mm判) |
デジタル一眼レフを選ぶ(ニコン編) | |
デジタル一眼レフを選ぶ(キヤノン編) | |
デジタル一眼レフを選ぶ(ソニー編) | |
デジタル一眼レフを選ぶ(ペンタックス編) | |
デジタル一眼レフを選ぶ(オリンパス編) | |
デジタル一眼レフを選ぶ(シグマ編) | |
デジタル一眼レフのスペック別総合比較 |